契約書は婚姻届
「はぁっ!?」
父親譲りの洋太の糸目が、人並み以上に見開かれる。
意気揚々と掴まれた唐揚げは、箸からぽろりと落ちた。
「どういうこと!?
なあ、親父!」
「それは、その。
……なあ、朋香。
やっぱり」
やはり、朋香が帰ったあとも明夫は社員たちに詰め寄られ、朋香の結婚取り消しを説得されたようだ。
「くどい!
もう決めたことだから」
経営や技術は頼りになる明夫だが、この件に関しては動揺しっぱなしで頼りにならない。
溺愛してきた娘がいきなり契約結婚、となるとそうなるのも無理もないかもしれないが。
「どういうことなんだよ、姉ちゃん。
俺にわかるように説明して」
「どうもこうも。
契約継続とこの先の融資の代わりに、押部社長と結婚しろって。
もう、婚姻届にサインしちゃったし」
父親譲りの洋太の糸目が、人並み以上に見開かれる。
意気揚々と掴まれた唐揚げは、箸からぽろりと落ちた。
「どういうこと!?
なあ、親父!」
「それは、その。
……なあ、朋香。
やっぱり」
やはり、朋香が帰ったあとも明夫は社員たちに詰め寄られ、朋香の結婚取り消しを説得されたようだ。
「くどい!
もう決めたことだから」
経営や技術は頼りになる明夫だが、この件に関しては動揺しっぱなしで頼りにならない。
溺愛してきた娘がいきなり契約結婚、となるとそうなるのも無理もないかもしれないが。
「どういうことなんだよ、姉ちゃん。
俺にわかるように説明して」
「どうもこうも。
契約継続とこの先の融資の代わりに、押部社長と結婚しろって。
もう、婚姻届にサインしちゃったし」