契約書は婚姻届
謝っている眼鏡男子のスタンプが送られてきたかと思ったら、続いて愛してると照れてる、同じキャラクターのスタンプ。
どうしてかそれがおかしくて、くすりと小さく笑いが漏れた。
おかげで、少しだけ緊張が和らいだ気がする。

本邸にくるように手はずを整えると尚一郎は云っていたが、呼び出しがなければ本邸には入れない。
早々簡単にはいかないはずだ。

とにかく、尚一郎が来るまで、ひとりでどうにかするしかない。
 
車は竹林を抜けると、右に曲がった。
左に、本邸の御殿を見ながら進んでいく。

自分を呼び出しのは達之助ではなく尚恭のようで、少しだけ安心した。

前回と同じで正面玄関から入り、執事に案内されて通されたダイニングは花やろうそくが飾ってあり、見たことないようなお茶の準備がされていた。

「ようこそ、朋香さん」

にこやかに笑う尚恭に勧められて、斜め前の椅子に座る。

「あの。
今日はどのようなご用件で……?」
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