契約書は婚姻届
苦笑いの尚恭に、やはり朋香も苦笑いしかできなかった。



尚一郎の出発の日まで、ばたばたとしていた。

急な出張なのでいま抱えている仕事の引き継ぎなど多く、帰ってくるのは毎日夜遅く。
いちゃいちゃする暇もない。

……それ以前に。
いまからこんなに忙しくて大丈夫なのか不安になった。

尚恭曰く、尚一郎の向こうでの仕事は最低でも半年ほどはかかるという。
なのに、尚一郎は一ヶ月で片付けると朋香に宣言した。
無理をして身体を壊したりしたりしないが、心配でしょうがない。


「絶対に無理はしないでくださいね。
少しくらい長くなったって、私は待っていられますから」

出発の日。
頑張って早く起きて、尚一郎と一緒にロッテの散歩に出た。
これを逃すと、しばらく尚一郎と話すことはできなくなるから。
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