契約書は婚姻届
「やっぱり尚一郎に渡したくなーい」

「ゆ、侑岐さん!
や、やめてください!」

顔中に侑岐から口付けを落とされて途方に暮れる朋香に、尚恭がおかしそうにくすくすと笑っていた。



夜は一緒に寝ると無理矢理、侑岐に同じベッドに押し込まれた。

ホットワインが利いているのか、温かいベッドの中でうつらうつらとすぐに眠くなる。

「あ、尚一郎さんにメッセージ送らなきゃ……」

眠い目をこすり、携帯の画面に指を走らせ始めると、侑岐からくすりと笑われた。

「私と一緒にいても尚一郎のことを考えてるなんて、ほんと、妬けちゃうわー」

「だって」

「なんて送ったの?」
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