契約書は婚姻届
嬉しそうに、眼鏡の奥の目が細くなる尚恭に心の中ではぁっ、と小さくため息をついた。
尚恭の秘書として働くようになって、なにかと尚恭は朋香を自慢したがる。
可愛がってくれているのは嬉しいが、複雑な気分だ。
昼食を終えて会社に戻ると、部屋に入るよりも早く寺本が飛んできた。
「藤井室長がおみえになっています。
朋香さんは避難した方が」
藤井、その名が出たとたんに尚恭も加賀も、渋い顔になる。
朋香も不安になって、おろおろとしてしまう。
「わかった。
朋香さんは応接室へ」
「……はい」
まるでかばうかのように尚恭に肩を抱かれて応接室に入った。
勧められてソファーに座ったものの、小さく背中を丸めてしまう。
「きっと、たわいのない用事ですよ。
少々ここで、待っていてくださいね」
尚恭の秘書として働くようになって、なにかと尚恭は朋香を自慢したがる。
可愛がってくれているのは嬉しいが、複雑な気分だ。
昼食を終えて会社に戻ると、部屋に入るよりも早く寺本が飛んできた。
「藤井室長がおみえになっています。
朋香さんは避難した方が」
藤井、その名が出たとたんに尚恭も加賀も、渋い顔になる。
朋香も不安になって、おろおろとしてしまう。
「わかった。
朋香さんは応接室へ」
「……はい」
まるでかばうかのように尚恭に肩を抱かれて応接室に入った。
勧められてソファーに座ったものの、小さく背中を丸めてしまう。
「きっと、たわいのない用事ですよ。
少々ここで、待っていてくださいね」