契約書は婚姻届
苦笑いの尚恭に朋香も苦笑いするしかなかった。


そのあとは、尚一郎の膝の上に載せられた。
尚恭どころか犬飼も加賀もいる前でこの状態はかなり恥ずかしい。

「尚一郎さん!
下ろしてください!」

「えー、やだよ。
もう朋香分が不足して、死にそうだったんだから」

抵抗しても下ろしてくれないどころか、嬉しそうに笑ってさらには口付けまで落としてくる尚一郎に、どうしていいのかわからない。

それに。

「尚一郎さん、お疲れですか?」

「え?」

「は?」

犬飼と尚恭が同時に、驚いたように声を上げた。
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