契約書は婚姻届
……起きちゃったかな。

視線を尚一郎の顔に向けると、ゆっくりと瞼が開いた。

「あれ?
もしかして僕は、寝てたのかい?」

ソファーに座り直した尚一郎が、ぱちくりと一回、瞬きをした。

「もしかして、あまり寝てないんですか?
そういえば、不眠不休だったって」

「ん?
ああ。
早く朋香に会いたくて、睡眠時間削って仕事してたからね。
それに」

尚一郎の手が朋香を抱き寄せ、あっという間に膝の上に載せられた。
いつもながらの早業に、いまだに自分がどうされているのかわからない。

「朋香が隣にいないから、ぐっすり眠れなかった」

「尚一郎さん……」
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