契約書は婚姻届
「ごめんね、朋香。
やっぱり無理矢理にでも、連れてくればよかった」

ふるふると首を振ると、尚一郎の唇が朋香の涙を拭った。
それがくすぐったくて、嬉しい。

「もう絶対に、ひとりにしないから。
約束する」

「はい」

ちゅっ、ちゅっ、つむじに、額に、瞼に、落ち続ける口付けが心地いい。
そのまま朋香はとうとう、眠ってしまった。



朋香が目を覚ましたとき、わずかに枕元の明かりがついているだけだった。

……いま、何時なんだろ?

携帯の時間を確認するともう午前九時。

……そっか、時差があるんだった。

「んー」
< 410 / 541 >

この作品をシェア

pagetop