契約書は婚姻届
「荷物整理して、ドレスルームに出してあげただけだよ。
朋香、寝ちゃったから」

「それは……。
ありがとうございます」

にっこりと笑う尚一郎に悪気はない。
尚一郎としては当たり前のことなのだろうと諦めて、怒るのはやめておいた。

「とにかく。
ほかの人間が買ったものを朋香が身につけるなんて許せない。
今日はまず、朋香の服を買わなきゃね」

「えっと。
……ありがとうございます」

……結局、尚恭が用意してくれた荷物はすべて、速攻で処分される運命にあることを、朋香はまだ知らない。


ちゅっ、ちゅっ、何度も何度も、尚一郎から口付けを落とされながら過ごす時間は、たまらなく心地よくて、ずっとこうしていたい気さえする。

「そういえば尚一郎さん、お祖父さんに贈り物って、なにを贈ったんですか?」
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