契約書は婚姻届
尚恭の口振りからいって、達之助が激怒したことは想像に難くない。

「あー、えっと、……内緒だよ」

きょときょとと尚一郎の視線が泳ぐ。
きっとまた、とんでもないものを贈ったに違いない。

「しょーいちろーさーん」

「ひぃっ」

地獄から響くような朋香の声に、びくりと尚一郎の背中が震えた。

「なにを贈ったんですか?」

完全に怒っているのに笑っている朋香に、尚一郎はますます怯えてベッドの隅で丸くなり、びくびくと身体を振るわせる。

「怒るから、云わないよ」

「しょーいちろーさん?」

朋香の口元がぴくぴくとひきつる。
情けないことに尚一郎の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
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