契約書は婚姻届
笑顔で差し出された尚一郎の手を洋太は思いっきり不機嫌な顔で無視した。

「俺、姉ちゃんの結婚、認めたわけじゃないから。
しかもこんな、金髪野郎」

「洋太!」

怒った朋香の声に、洋太はふて腐れてそのまま自分の部屋に行ってしまった。

ダン!

怒りをぶつけるかのように乱暴に閉まったドアの音に、はぁっ、朋香は内心ため息をついた。

「その。
弟がすみません」

「気にしてないからいいよ」

言葉通り、尚一郎は怒るどころか穏やかに笑ってる。

いきなり、会社の命運をかけて姉が無理矢理結婚させられた相手、となれば洋太が納得したくないのも理解できる。

しかし、朋香は洋太が尚一郎の見た目で差別したことを怒っていた。
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