契約書は婚姻届
尚一郎に聞いてみるが、はぐらかされて答えてくれない。

二、三日は不安で不安でしょうがなかったが、検査らしい検査も、治療らしい治療もなく、どうも違うんじゃないかと結論づけた。

そうなると、どうして病室に隔離されているのかわからない。
そのうえ、暇で暇でしょうがなかった。

「朋香、元気かい?」

仕事終わり、顔を見せた尚一郎をついジト目で睨んでしまう。

「……元気なのでここから出してもらえないですか」

「ダメだよ。
まだ完全に治ったわけじゃないからね」

笑ってキスしようとしてきた尚一郎に顔を背けたが、両手で捕らえられて強引に唇を重ねられた。
嫌だと胸をどんどん叩くが尚一郎は離してくれない。
それどころか、どんどん深くなっていく。
唇が離れる頃にはぐったりと、朋香は尚一郎にもたれ掛かってた。

「ほら。
これくらいで疲れるなんてまだ病気だよ」
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