契約書は婚姻届
「そ、それは」

……尚一郎さんのキスが上手すぎるから。

なにも言えなくなった朋香に、尚一郎はジャケットを脱いだ。
さらに袖口のカフスボタンを外し、シュルシュルとネクタイを抜く。
襟元からプチプチと第三ボタンまで外されたせいでシャツの隙間から引き締まった尚一郎の身体がのぞき、朋香はつい、熱い顔で目を逸らしてしまう。

「朋香」

のしかかってきた尚一郎の長い指が唇にふれ、そのまま顎から首、さらには胸へと降りていくとぞくぞくとした快感が背中を這う。

「や、やだ」

「……ヤダじゃないよね」

ふっ、耳にかかる吐息に身震いする。
尚一郎は薄く笑うと、朋香に口付けしてきた。
口付けしながら身体に這わされる手に、思考は勝手に飛んでいく。

――そして。
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