契約書は婚姻届
尚一郎は絶対に、朋香の幸せを守ると約束してくれたのだ。
なのに、なんでこんなことになっているのかわからない。


携帯片手にこれまでのあらましをさらっていく。

発端は奏林大で行われた人工心臓の臨床実験で、患者が死亡したこと。
その際、直接の死因ではないが、重要なネジの破損が発覚。
ネジを製造したのは、オシベメディテックから依頼を受けた若園製作所だった。

オシベメディテック側は納入されたネジに問題はなかったと会見。
しかし、その後の調査で若園製作所側から提出されていたデータが偽装されたものだったとさらに会見を開いた。
明夫たちにしてみれば寝耳に水で対応が後手後手に回る。

データ改竄などしてない、そもそも、それはうちで作ったネジではないと証拠を出すが、オシベの方からは無いはずの改竄証拠が出され、声高に被害者は我々だと叫ばれるともう打つ手がなかった。



一階で、ロッテの鳴き声が聞こえる。
いつの間にか夜になり、暗い部屋の中でクッションを抱いて座っていた。
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