契約書は婚姻届
「いつもお世話になっております」

社長室に丸尾を通すと、待っていた明夫に有森、西井がソファーからそろって腰を上げた。
朋香がお茶を出し、ソファーの後ろに立つと、明夫が口を開いた。

「それで。
オシベからの謝罪を受けるかどうかという話なのですが……」

社内ではオシベへの対応で揉めていた。

オシベにはいままで何度も煮え湯を飲まされてきたのだから、裁判で争って決着をつけるべきだと、強硬な姿勢を西井たちは取っていた。

その反対に明夫や有森は謝罪を受け入れ穏便に済ませたいと思っている。

いくら話し合っても意見は平行線で、今後の対応もあるし丸尾の意見を聞こうということになった。

「そうですね。
若園製作所さん次第だと思います。
徹底的に裁判で争っても今回の件はすでにオシベの方から和解を申し入れてきているだけに、勝てます。
けれど和解金もそれなりに提示されているだけに、受け入れてもいいかと」
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