契約書は婚姻届
「はぁ……」

それではやはりどちらにも決まらずに困るのだ。
結局、今日の話し合いでも結論は出なかった。



ピンポン、休日、鳴ったチャイムに玄関を開けると、侑岐が立ってた。

「ハロー、朋香」

「侑岐さん!?
帰国するなら連絡くれればよかったのに!」

「朋香を驚かせようと思って」

にやりと広角をつり上げて笑う侑岐はいつも通りで、ついつい笑ってしまう。

「朋香、いま暇よね?
ショッピングに付き合いなさいよ」

「えっ、……おとーさーん、ちょっと出かけてくるねー」

強引に引きずられていく先には真っ赤なフェラーリが見えて……いつぞやの恐怖がよみがえる。
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