君はガーディアン ―敬語男子と♪ドキドキ同居生活―
恩師に挨拶をし、事情を説明し、その足で就職予定の職場へ行くと、恩師から連絡がいっていたらしく、話は手短に済んだ。
母が亡くなった事を知っていた恩師も、職場の人も、無理をしない方がよいと言ってくれて、落ち着いたらもう一度相談して欲しいとまで言ってくれた。
手短に済んだとはいえ、マンションに戻る頃には夕方になっていた。
「お疲れになったでしょう、今、お茶を入れますから、座っていて下さい」
「そんな、私は横で座っていただけですし、征治さん、運転お疲れ様でした。ありがとうございます、助かりました」
「私は、素子さんの護衛です、どうかお気遣いなく」
征治さんはそう言うと、キッチンでお茶の準備を始めた。
そう、征治さんは、『護衛』なのだ。私が、礼門の姉で、守護聖獣の主候補だから常に一緒にいてくれるだけなんだ、……勘違いしちゃダメだ。
声には出せない。私は目を閉じて、自分を落ち着けようと、頭の中で繰り返した。
征治さんは、護衛、ただの……護衛。
そう考えると、胸の奥の方に、針が刺さるような痛みが走る。
「……ッ」
私は思わず胸を抑えた。『恋に胸を焦がす』なんて、聞くけれど、実際はこんな風に痛むのか、とも、いえ、ちょっと待って、『恋』って!
はた! と、目を開いて、思った。
私は、征治さんに恋をしているのだろうか。
「……素子さん?」
ティーカップをのせたトレイを持って、征治さんが心配そうな顔で尋ねてきた。
「どうか、しましたか? どこか、具合でも?」
「いえっ! 何でもないんです、お茶、いただきます」
あわててティーカップを受け取り、口に運ぶと、思ったより熱くて、カップと取り落としてしまい、
「熱っ!」
カップが床に落ちて、紅茶が足にかかった。と、思った時には、私の体の向きが変わっていた。
「大丈夫ですか?!」
私が周囲の状況を把握するより先に、私は征治さんに抱きかかえられて、バスルームにいた。浴槽の蓋に腰掛けられ、冷たいシャワーが患部とおぼしき部分にかかる。
足に紅茶がかかった事よりも、急にシャワーがかかったことよりも、私にとって衝撃だったのは、ストッキングが破かれ、スカートもまくられて、太ももが顕になっている事だった。
「あっ、あのっ!」
母が亡くなった事を知っていた恩師も、職場の人も、無理をしない方がよいと言ってくれて、落ち着いたらもう一度相談して欲しいとまで言ってくれた。
手短に済んだとはいえ、マンションに戻る頃には夕方になっていた。
「お疲れになったでしょう、今、お茶を入れますから、座っていて下さい」
「そんな、私は横で座っていただけですし、征治さん、運転お疲れ様でした。ありがとうございます、助かりました」
「私は、素子さんの護衛です、どうかお気遣いなく」
征治さんはそう言うと、キッチンでお茶の準備を始めた。
そう、征治さんは、『護衛』なのだ。私が、礼門の姉で、守護聖獣の主候補だから常に一緒にいてくれるだけなんだ、……勘違いしちゃダメだ。
声には出せない。私は目を閉じて、自分を落ち着けようと、頭の中で繰り返した。
征治さんは、護衛、ただの……護衛。
そう考えると、胸の奥の方に、針が刺さるような痛みが走る。
「……ッ」
私は思わず胸を抑えた。『恋に胸を焦がす』なんて、聞くけれど、実際はこんな風に痛むのか、とも、いえ、ちょっと待って、『恋』って!
はた! と、目を開いて、思った。
私は、征治さんに恋をしているのだろうか。
「……素子さん?」
ティーカップをのせたトレイを持って、征治さんが心配そうな顔で尋ねてきた。
「どうか、しましたか? どこか、具合でも?」
「いえっ! 何でもないんです、お茶、いただきます」
あわててティーカップを受け取り、口に運ぶと、思ったより熱くて、カップと取り落としてしまい、
「熱っ!」
カップが床に落ちて、紅茶が足にかかった。と、思った時には、私の体の向きが変わっていた。
「大丈夫ですか?!」
私が周囲の状況を把握するより先に、私は征治さんに抱きかかえられて、バスルームにいた。浴槽の蓋に腰掛けられ、冷たいシャワーが患部とおぼしき部分にかかる。
足に紅茶がかかった事よりも、急にシャワーがかかったことよりも、私にとって衝撃だったのは、ストッキングが破かれ、スカートもまくられて、太ももが顕になっている事だった。
「あっ、あのっ!」