大剣のエーテル

ガッ!!


薔薇色の瞳の青年が、レガリアの男性の胸ぐらを掴んだ。

彼の瞳は、怒りが沸点を超えたかのように鋭く輝く。


「…てめぇに団長の何がわかる…!」


絞り出すように聞こえた青年の声に、私は、はっ、とする。


(…今、何て…?)


動揺が胸に広がった、その時だった。


「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!このはんぺん野郎!!」


(!!)


まばたきをした瞬間には、レガリアの男性は宙を舞っていた。

白い制服が、太陽と重なる。


ドサッ!


怒号が広場に響き渡り、強烈な拳を顔面に受けたレガリアの彼は、戦意をなくして倒れ込む。


(…た、たった一撃で…?!)


目の前で起こった状況に頭がついていけずにいると、残ったレガリアの男性が首に下げていた笛をくわえた。


ピィーッ!!!


笛の音が響いた瞬間、あらゆる路地から白い制服を着たレガリアらしき人たちが集まってくる。


「っ!な…!」


面食らったような青年は、動揺して目を見開いた。

その場に呼び寄せられたレガリア達は、薔薇色の瞳の青年を、がっ!と取り押える。


「レガリアに対する暴行で現行犯逮捕する!来い!」


(っ?!嘘?!!!)


青年は「っおい!離しやがれッ!」と暴れながら連行されていく。


(な、何が起こったの…?!)


目の前で繰り広げられた逮捕劇に、ただただ呆然と立ち尽くす。

< 134 / 369 >

この作品をシェア

pagetop