大剣のエーテル

ぞくり、と体が震えた。

威圧的で、殺気を纏ったようなその声の主は、私の隣に立つ青年だった。

先ほどまでの笑顔とは真逆の、怒りに満ちた表情は、目が合っただけで体の自由を奪われるほどだ。

その鋭い視線に、息を呑む。


「「…っ、お、お前は…!」」


レガリアの2人組は、青年を見た瞬間、びくり!と飛び上がって声を上げた。

どうやら、顔見知りのようだ。

青年は、怯え始めたレガリア達に詰め寄る。


「…今、何て言ったか聞いてんだよ。俺は何もしてねぇぜ?声くらい出せんだろ。…言ってみろよ。」


震え上がるほどの高圧的な口調は、沸々と湧き上がる怒りを必死で堪えているかのようだ。

レガリア達は顔を見合わせ、開き直ったかのように声を上げる。


「エーテルの団長は、仲間を斬り捨てた最低な野郎だって言ったんだよ…!お前だって、知っているんだろ?“2年前の事件”の噂を聞いたやつはこの国に数え切れないほどいるぜ?」


と、レガリアの男性が言い切った

次の瞬間だった。

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