大剣のエーテル

(普段からかっこいいとこしか見せてないくせに…)


思いがけないプレゼントに、私はレジまで一緒について行った。

ランバートはすっ、と現金を出している。


「あれ?いつものクレジットカードじゃないの?」


「ノアちゃんへのプレゼントを王からのお金で買うわけないでしょ?」


そこは彼のこだわりらしい。

以前、エーテルに支給されている王のカードを使いまくって書物を買いためたランバートが、イヴァンさんに怒られていた過去が懐かしく思える。

そして、私たちが雑貨屋を出た

その時だった。


…ぽつり。


「「!」」


ガラスのショーウィンドウに、雨の雫が流れ落ちた。

ぽつ、ぽつ、と降り出す雨。

空はどんよりとした厚い雲に覆われている。


「…降ってきちゃったか。」


ランバートが、ぽつり、と呟いた。

デートが決まった日からずっと天気予報を気にしていたが、クリスマスは残念なことに昼過ぎから雨予報だった。

密かにてるてる坊主を窓に吊るしていたものの、予報は的中してしまったらしい。

少し残念な気持ちが、無意識に顔に出ていたのだろう。

ランバートは私を見つめて優しく言った。


「荷物を持って雨の中歩くのは大変だよね。ディナーの前にどこかのカフェにでも寄る?」


「!大丈夫だよ!折りたたみ傘は持ってきたし、次はランバートの言ってた本屋さんに………」


と、私が口にした

次の瞬間だった。


ヒヤッ…!


「…?」


一瞬、辺りの気温が下がった気がした。

ランバートも、何かを感じたようにはっ、としている。


…ふわり


と、その時。

私の視界に映ったのは、はらはらと柔らかに空から舞い降りてくる“粉雪”だった。

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