この愛、スイーツ以上
今日の予定をチェックして、一緒に食べれたらいいなといつもより早起きして作ってきた。

さすがに一人で食べるには多いな。ひとつを手にとって、小さく息を吐く。


「乃亜ちゃんが食べれるならあげるんだけどね」


キャリーバッグの窓からこちらを窺うように見ている乃亜ちゃんに苦笑して、独りごちた。

結局まだ藍華さんとの関係を副社長から聞いていない。藍華さんは元カノだと言っていたけど、本当だろうか。

二人が親しいのはお互いの接し方で分かったけど、関係性は分からない。

虎太さんも言ってくれたけど、副社長はちゃんと説明してくれるのかな。今日はもう話す時間がなさそうだけれど。

残ったサンドイッチに蓋をして、紅茶を飲む。夜にお腹が空いたら食べてくれるといいけど、食べ残しという感じだから何も言わずに持って帰って自分で食べようかな。

貰ったケーキの数を確認する。イチゴのショートケーキが二個入っていた。

藍華さんは副社長が甘いもの好きなのを心得ている。私よりも彼のことをきっとよく知っている。
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