この愛、スイーツ以上
付き合ったことがあるなら、深いところまできっと……私はキスしかしたことがないけど、彼女はきっとそれ以上のこともしたことあるだろう。

彼のあのほくろにも触れたことがあるのかな。

二人が寄り添う姿を想像すると心の中がどろどろになって渦を巻く。

キスをしただけで恋人でもないのに、嫉妬するなんておかしい。彼の告白を受け入れなかったくせに、藍華さんに嫌な感情を抱くのはおかしい。

自分でダメだと芽生えてきていた思いを摘み取ったのに、なぜ嫉妬するのよ?

開けたケーキの箱を閉めて、副社長のパソコンに付箋を貼った。


『藍華さんからケーキをいただきました。申し訳ありませんが、総務課長に呼ばれたので1時間くらい行ってきます 吉川』


あと10分ほどで昼休み終了になるが、二人はまだ戻ってこない。13時半から打ち合わせ予定があるからそろそろ戻っては来るだろうけど、二人一緒の姿を見たくなく、総務部へと逃げた。

課長に呼ばれてはいないけど。

「何の用で来たの?」と奥山さんに言われたが、顔を合わせた時に確認しようと思っていたことがあったと去年のファイルを見せてきた。
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