この愛、スイーツ以上
「どれも似合っているけど、どれか１つに決めないといけないわね。吉川さんはどれが好き？」

「私はボルドー色のが好きです」

「あー、レースが素敵だったわね。うん、いいと思うわ」


ノースリーブではなく袖があるタイプなのだけど、袖部分がレースになっていて、スカート部分の裾にもレースが施されていた。

普段レースが使われている服は自分のイメージに合わない気がして敬遠がちだったが、このドレスのレースは素敵だと思った。


「俺もあれ好きだな。かわいい感じだったけど、大人っぽくてセクシーな感じもしたし、何よりも一番似合っていたね」

「セクシーでしたか？」


どこがどうセクシーに見えたのか分からなくて、思わず聞いてしまう。

副社長は「うん」と言うだけで、どの部分なのか詳しく説明はしてくれなかった。気にはなるけど、深く追求はしないでおこう。恥ずかしいことをまた言われても困るし。

異論を言う人がいなく、私が選んだドレスに決定した。


「少しウエストが緩い感じだったから、そこだけ直してくれるかしら？」

「かしこまりました。前日までに直しておきますね」
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