この愛、スイーツ以上
先にパフェが運ばれてきたが、通常サイズの二倍くらいある大きさだった。私は驚いたけど副社長は平然としている。

オフィスで見る冷静な表情をしているが、よく見ると微かに口元が緩んでいた。

分かりにくいが、美味しそうなパフェを前にして喜んでいるようだ。犬のような尻尾があったら慶ぶのも分かりやすくていいのにと思った。

もし尻尾があったら間違いなく動いているだろう。


「大きいですけど、美味しそうですね! 写真撮らせてください」


スマホを構えると副社長は無表情でピースをした。パフェだけを撮るつもりだったので、まさかのポーズに一瞬呆けてしまったが、慌ててシャッターを押す。

すぐに食べたかったのに写真タイムでお預けさせてしまったから、機嫌が悪くなったのかもしれない。

緩んでいた口はぎゅっと一文字になっていた。それでもピースをするからちぐはぐで、思わず笑ってしまう。


「何がおもしろい?」

「いえ、なにも。本当に大きいなと思って。プリンは普通の大きさですよね?」


笑ってしまったことを誤魔化すために話をパフェに切り替える。
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