この愛、スイーツ以上
プリンを囲っている生クリームの量が尋常ではない。ものすごく甘そうだ。生クリームの上にはチョコソースがかけられていて甘さがさらに増しているように見える。

見るだけで胸やけがしそうなるが、甘党の副社長にはちょうどいいようだ。

一口食べて「うまい」とポツリ……無意識なんだろうけど、口元を緩ませた。

その顔が微笑ましいというか、かわいいというか。こういう時にぴったりな言葉があったと脳内から言葉を引っ張り出す。

そうだ、母性本能をくすぐられるだ。

自分よりも年上のそれも上司の人に思うなんて、失礼になるだろうけど本当にかわいくてもっと食べさせてあげたくなる。

しかし、食べさせてもらうのはまたしても私だった。

失礼なことを思ったのがいけなかったのか。


「美味しいよ。由梨も食べてみて」


チョコソース付きの生クリームがのったプリンを差し出してきた。

あーあ、私はまた拒否できない。

口を開ける前にそっと周囲の反応に耳をすませた。

カフェ内で長身でイケメンの副社長は目立っていて、他の席に座る女性客数人がここに座った時からチラチラと見ている。
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