この愛、スイーツ以上

カタログは犬版と猫版の二種類があって、たくさんの種類が載っていた。基本の形の犬や猫に、特徴が分かる写真や動画を添えて注文するとオリジナルのものになる。

サイズは二種類あって、この試作品と同じ10センチくらいのものお、20センチくらいのもの。注文を受けてから仕上がるまでの期間は約１ヶ月。

まずは試作品としてこの２体だけを作ったので、今回は10日程度という速さで出来たそうだ。


「動画を見て作ったから。ここまでのクオリティになっているんだよ」

「動画？ いつの間にコロまで？」

「紫乃の部屋にコロが来たときだよ。あの部屋にはカメラが設置されているからね」

「そうなんですか！ 気付かなかったです」


聞くと副社長の家には至るところにセキュリティのためにカメラが設置されているという。

玄関のところにあるのは見たが、そんなにあるとは思いもしなかった。だけど、よくよく考えればあの社長宅ならそこまでするのが当たり前なのかもしれない。

高価そうな調度品もたくさんあった。


「紫乃とコロの動画が見たかったら、見せてあげるよ」

「本当ですか？ 見たいです！」

「元気な由梨に戻ってよかった」