この愛、スイーツ以上
受け入れる愛
今日の天気予報は、曇り時々雨で降水確率は30%。朝起きた時よりも、どんよりと曇ってきている空を姉の美容室の窓の隙間から覗く。


「雨大丈夫かなー」

「降りそうな空よね。でも、カフェに行くんでしょ? お店の中なら天気をそこまで気にしなくてもいいじゃない。出掛けるのも東郷くんの車なんだし」

「うん、そうなんだけどね」


実際そんなに雨が降るかどうかを気にしてはいなかった。ただ副社長のことばかりを考えていたから、他のことを考えようと天気を話題に出しただけ。

そんなことを姉に話したら怒られそうだから言わないけど。

副社長が我が家まで迎えに来てくれる時間は午後一時。朝早くに目覚めたから、のんびりと支度をしていたのだが、髪がうまくまとまらなくて姉に助けを求めた。

ちょうどキャンセルが入ったからと運良くセットしてもらえることになった。

髪が伸びたせいもあって、まとまりにくくなっているから少しカットした方がいいと言われ、お任せした。


「せっかくだからアップにする? おろしたままがいい?」

「アップか~、うーん」

「アップにすると雰囲気も変わって、惚れ直すかもよ」
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