この愛、スイーツ以上
「吉川ちゃん、課長には話しておくからね。じゃあ、頑張って」
「あ! 奥山さん、待ってください! 私も……いたっ!」
同じ総務部の二才年上の奥山先輩は困っている私を無情にも置き去りにして降りていった。
私も降りたかったのにどうしてこんなことになってしまったのだろう。
ドアは閉まり、エレベーターは上昇していく。そのあと、二か所でドアは開くが、私は何も出来ずに最上階まで運ばれる。
初めて降りる最上階には社長室と副社長室、それと応接が二つしかない。限られた者しか入れない未知の階だ。
副社長から離れて歩くと引っ張られて抜けそうになるので、仕方なく離れないようにぎこちなく歩いた。
「吉川さん、どうぞお入りください」
「はい、失礼します」
副社長秘書の安田俊司(しゅんじ)さんはドアを開けて、副社長と私を先に通してくれた。
ヒールの音が響かないくらいの柔らかいカーペットが敷かれた床に足をそっと乗せた。
「取れないな」
「困りましたね。余計に絡まっているような……」
「早くしないと会議に遅れる」
「あの、この辺から切ってください!」
「あ! 奥山さん、待ってください! 私も……いたっ!」
同じ総務部の二才年上の奥山先輩は困っている私を無情にも置き去りにして降りていった。
私も降りたかったのにどうしてこんなことになってしまったのだろう。
ドアは閉まり、エレベーターは上昇していく。そのあと、二か所でドアは開くが、私は何も出来ずに最上階まで運ばれる。
初めて降りる最上階には社長室と副社長室、それと応接が二つしかない。限られた者しか入れない未知の階だ。
副社長から離れて歩くと引っ張られて抜けそうになるので、仕方なく離れないようにぎこちなく歩いた。
「吉川さん、どうぞお入りください」
「はい、失礼します」
副社長秘書の安田俊司(しゅんじ)さんはドアを開けて、副社長と私を先に通してくれた。
ヒールの音が響かないくらいの柔らかいカーペットが敷かれた床に足をそっと乗せた。
「取れないな」
「困りましたね。余計に絡まっているような……」
「早くしないと会議に遅れる」
「あの、この辺から切ってください!」