俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
淹れ終わったコーヒーをそっと大河の前に置くと、大河はそれを口に運びながら篠原さんをからかうみたいに笑った。
「……この一日で、彼女のなにを評価したと言うんだ? お前の心を動かすような特出したものがあったのか」
「それは社長が一番よくご存じなのでは――」
篠原さんの言葉に、大河の片眉がぴくりと上がる。
「どういう意味だ」
「社長が天宮さんをおそばに置いているのと、同じ理由かと思います。社長のご寵愛には及びませんが、私も少なからず彼女に好感を持っています」
好感――?
紛らわしい言い回しに思わずドキリとして、部下としてだよね? と自分に言い聞かせる。
けれど動揺したのは、私だけじゃなかったみたいだ。
この下手したら愛の告白か宣戦布告にも取れかねない発言に、大河の持つカップとソーサーが触れカチャンと音を立てた。中身が軽くこぼれる。
私は慌てて大河のもとへ飛んでいき、近くのティッシュであふれるコーヒーを堰き止めた。
書類が濡れる直前で危機を回避し、ほっと安堵する。こぼれたのがたいした量でなくて助かった。
大河の顔を見れば、強く引き結んだ唇とわずかに引きつった瞳。
一方の篠原さんは相変わらずの鉄扉面で、それでも少しだけ興味を引かれたように顎に手を添えた。
「深い意味ではありませんよ……大丈夫ですか」
「篠原……お前、俺をからかってるのか?」
大河が口もとを引き攣らせたとき、タイミングよく秘書専用デスクの内線が鳴った。
取らなくてはと、慌てて電話に向かって走り出した、そのとき。
しばらく緊張していたせいだろうか、足がもつれ、なにもないところで蹴躓いてしまった。
「きゃっ」
すかさず私の体を支えてくれたのは、近くにいた篠原さんだった。
予期せず彼の腕の中に飛び込むことになってしまい、頭の中が真っ白になる。
「……この一日で、彼女のなにを評価したと言うんだ? お前の心を動かすような特出したものがあったのか」
「それは社長が一番よくご存じなのでは――」
篠原さんの言葉に、大河の片眉がぴくりと上がる。
「どういう意味だ」
「社長が天宮さんをおそばに置いているのと、同じ理由かと思います。社長のご寵愛には及びませんが、私も少なからず彼女に好感を持っています」
好感――?
紛らわしい言い回しに思わずドキリとして、部下としてだよね? と自分に言い聞かせる。
けれど動揺したのは、私だけじゃなかったみたいだ。
この下手したら愛の告白か宣戦布告にも取れかねない発言に、大河の持つカップとソーサーが触れカチャンと音を立てた。中身が軽くこぼれる。
私は慌てて大河のもとへ飛んでいき、近くのティッシュであふれるコーヒーを堰き止めた。
書類が濡れる直前で危機を回避し、ほっと安堵する。こぼれたのがたいした量でなくて助かった。
大河の顔を見れば、強く引き結んだ唇とわずかに引きつった瞳。
一方の篠原さんは相変わらずの鉄扉面で、それでも少しだけ興味を引かれたように顎に手を添えた。
「深い意味ではありませんよ……大丈夫ですか」
「篠原……お前、俺をからかってるのか?」
大河が口もとを引き攣らせたとき、タイミングよく秘書専用デスクの内線が鳴った。
取らなくてはと、慌てて電話に向かって走り出した、そのとき。
しばらく緊張していたせいだろうか、足がもつれ、なにもないところで蹴躓いてしまった。
「きゃっ」
すかさず私の体を支えてくれたのは、近くにいた篠原さんだった。
予期せず彼の腕の中に飛び込むことになってしまい、頭の中が真っ白になる。