俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
すると突然、ツイードのジャケットの中に大河の手が滑り込んできて、私は慌てて目を開けた。

「だめっ……なに考えてるの!?」

「篠原はしばらく帰ってこねぇよ。会長の第一秘書は話が長いんだ」

大河が私のシャツのボタンに手をかけて、一番上を外してしまう。そして、ふたつめ。
もしかして、こんな場所で脱がそうなんて思ってる!?

「仕事中に……こんなことしちゃダメだよ……」

「早くお前を俺のものにしないと、気が済まないんだ」

「わ、わかったよ、わかったから、せめて夜にして!」

咄嗟に叫んだところで、大河の動きがぴたりと止まった。

「……今日、大河の家にいくから。そのときでいいでしょ?」

大河を止めるためとはいえ、考えてもみなかったことをつい口走ってしまい、一秒後には後悔の念が押し寄せてきた。
これじゃあ、どうあがいても、今晩はベッドインを避けられない。

大河は心のうちを探るようにじっと私を観察する。

……『やっぱり前言撤回します』なんて言ったら、怒られるよね……?
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