俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「難しいことを言ったけど、物事はもっとシンプルだ。俺はお前を愛しているし、お前も俺を愛してくれる。それでわかるな?」

彼の言葉に、頭の中がすっきりとする。

ああそうだ。私は彼を愛している。それで全部だ。誰にも左右されない絶対。突き詰めるとそこに行きつく。

彼のそばにいたいという気持ちは揺るがないし、同時に彼に求められる存在でありたいと思う。
心をくすませていた闇が剥がれ落ちるように、瞳からひと粒の涙がこぼれ落ち、視界が澄み渡った。

前に座っていた母が、両手に顔を埋め、肩を震わせ始めた。
莉生はあえて視線を逸らすように、テーブルの上に肘をつき、反対側を見つめながら頬杖をついているけれど――黙ってじっと私たちの話に耳を傾けてくれている。

父は……無言。
目を見開いて、眉間にくっきりと皺を寄せている。
細身の父の、筋張って木の節みたいにごつごつとした喉が、ごくりと上下した。

「もしも……だ」

沈黙の後に、父はわずかに声を掠らせながら口を開いた。
大河の強い意思に圧倒されているのだろうか。最初の頃のような頑固さは、もうない。

「私がふたりの仲を認めなければ、どうするつもりだ」

「そのときは……」

大河は瞳を閉じ、まるで自分を落ち着かせるようにひとつ呼吸をしてから、再び瞼を開け意思の強い瞳をあらわにした。

「もう一度、莉依を攫います。駆け落ちしてでも一緒になります。でなければ、俺たちは生きていくことができないから」
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