俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
もしかしたら本当に私のことを救ってあげようと思っているのかもしれない。
優しい大河のことだから、私の助けになるのなら、自分の結婚くらい差し出してもいいなんて考えているのかも。
ずっとそばにいた幼なじみだ。大切に思ってもらってることくらい、わかってる。

でも、それが恋愛でないのなら。ただの友情だというのなら。
そんな自己犠牲、ほしくない。

「中途半端に優しくなんかしないで……」

嬉しい――のに、甘えられない。

今にも泣き出しそうな私を、大河は呆然と眺めていた。
そして慰めようとしたのだろうか、私に手を伸ばしかけたけれど、その手はやるせなく虚空を掴みもといた位置へと戻っていった。

「悪かった。……もう、言わない」

それだけ言い残して、大河はそっと部屋を出ていった。
大河がいなくなった途端、堰き止めていた涙がわっとあふれ出して止まらなくなる。

キスも、体の関係も、きっと大河なら嫌じゃなかった。

けれどそのあと、大河の心までほしくなってしまうと目に見えていたから。
報われない想いに苦しむ自分が手に取るようにわかるから、ねだることなんてできなかった。
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