俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「大河がいたってしょうがないんだけど。とにかく、これはありがたく使わせていただきます」

化粧ポーチをぎゅっと握りしめながら、ちょっとドキドキとしている胸のあたりを隠す。

私は彼を恋愛感情で見たことはないけれど、それでも彼が恰好いいってことは冷静に理解しているし、うっとりだってしてしまう。
笑顔を向けられればキュンともなる。したくなくても、本能的なものなのだから仕方がない。

真面目にしていればキリリと恰好良く、笑えば心を鷲掴みにされてしまう大河のこの顔は、中学のときから女子たちの憧れの的だった。

大河は私の前ではこんなだけれど、人当たりだけはよかったから、周囲にはキラキラと王子様みたいな笑顔を振り撒いて、彼に片想いする女子は私が知るだけでも相当な数だった。

「そうそう。飾ればそれなりに綺麗に見えんだからさ。ちゃんとしろよ」

大河は腕を組み、しみじみと唸る。

「余計なお世話だよ」

「心配してんだって。二十七年間、浮いた話のひとつもしないからさ」

それは大河だって同じだろうと、私は心の中で悪態をついた。

今まで大河は私に一度だって女性とのお付き合いについて語ったことはないけれど、大企業の社長で、お金持ちの御曹司で、ルックスも完璧なこの男に、二十七年間彼女ができないわけがないのだ。悔しいから、考えないようにしているけれど。

「お見合いじゃなくて、恋愛結婚したいんだろ?」

「……うん」

「だったら、もっと可愛らしくしてろって。そしたら俺も、考えてやらないことはない」

「な、なにが?」

わずかに緊張して大河を見上げると、彼はもったいぶって考えた末、ニヤッと笑った。

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