俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「今、買い物に……」

せっかく答えようとしたのに、またもやその女性は私の言葉なんか無視して、さっさとリビングを出ていってしまった。
かと思えば右側にある寝室へと吸い込まれていく。

「あの、そこは……」

今、私が使っている部屋だ。汚くしているわけではないが、ベッドは使いっぱなしになっている。
その女性を追いかけると、ドアを開けたところで立ち尽くしていて、振り返りざまに鋭い瞳で睨んできた。

「あなた、この部屋を使ってるの?」

「え……は、はい、今は、使わせてもらってます……」

「そう。もう新しい彼女ができたの。あの男、最低」

女性はサラリと言い放って、呆れたように腰に手を当てた。
ため息をひとつついたあと、私の胸もとを指さす。

「その服、私のなの」

「え!?」

突然の指摘に服の裾をぎゅっと掴みながら青ざめる。
確かにこの服は自前のものではなく、大河から渡された誰かの――おそらく、元カノの部屋着。

「ご、ごめんなさい、今すぐ脱ぎ――」

「脱げなんて言わないし、使うのもかまわないけれど、我がもの顔で使われるのは腹が立つわ」

「す、すみません……お借りします」

恐縮してぺこりと頭を下げると、なんだか余計苛立たせてしまったみたいで、彼女は眉間に皺を寄せた。

「でも、大河のことは、別。貸したりしないし、あげるつもりもない」

はっきりと言い切って、私の方へ一歩踏み出す。あまりの迫力に、近づかれた一歩分あとずさってしまった。
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