俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
***
『――残念ながら今回は採用を見送らせていただくことになりました――』
水曜日の夕方にこのメールを受け取った私は家に帰ることもできず、ひとり公園のベンチで携帯電話のディスプレイをいつまでも眺めていた。
落胆を通り越して、絶望だ。世界の終焉だ。結婚が人生の墓場とは、私の場合、言い得て妙だ。
気がつくとすでに二十二時になっていた。
さすがにこの時間、公園には誰もおらず、まるで時間が止まっているかのように静かだった。
むしろ止まってしまえばいいとさえ思う。このまま永遠にこの場所に私を縫い留めてくれたらいいのに。
家に帰れば、お父さんがお見合いだ結婚だと意気揚々と晩酌を始めるだろう。
もしかしたら封を切らずに大切に取っておいた私の生まれ年のワインまで飲みだすかもしれない。
嫌だ。見ず知らずの人と結婚なんて。
それならまだ、仕事を辞めずにあのセクハラ部長のお尻お触りを毎日耐えていた方がマシだったかもしれない。
呆然と現実逃避していると、携帯電話が震えた。
ディスプレイに映し出された名前は大河で、一瞬無視しようか悩むも、結局私は通話ボタンを押した。
「はい」
その瞬間、公園の周りを運転の荒い車が走り抜け、大きな走行音が響いた。
それを耳にしたのだろう、電話の奥から、訝し気な声が聞こえてくる。
『莉依?……お前、今、どこにいるんだ? 家じゃないのか?』
「あー、ちょっと、散歩」
『はぁ? こんな時間に? まさかひとりじゃないだろうな、危なっかしい』
「……大丈夫だよ。悪いことする人も、襲うなら私じゃなくてもっとかわいい子選ぶだろうし」
『バカ、なに言って――』
お小言を言おうとした大河だったけれど、ふと思い当たったかのように言葉を止めた。
『――残念ながら今回は採用を見送らせていただくことになりました――』
水曜日の夕方にこのメールを受け取った私は家に帰ることもできず、ひとり公園のベンチで携帯電話のディスプレイをいつまでも眺めていた。
落胆を通り越して、絶望だ。世界の終焉だ。結婚が人生の墓場とは、私の場合、言い得て妙だ。
気がつくとすでに二十二時になっていた。
さすがにこの時間、公園には誰もおらず、まるで時間が止まっているかのように静かだった。
むしろ止まってしまえばいいとさえ思う。このまま永遠にこの場所に私を縫い留めてくれたらいいのに。
家に帰れば、お父さんがお見合いだ結婚だと意気揚々と晩酌を始めるだろう。
もしかしたら封を切らずに大切に取っておいた私の生まれ年のワインまで飲みだすかもしれない。
嫌だ。見ず知らずの人と結婚なんて。
それならまだ、仕事を辞めずにあのセクハラ部長のお尻お触りを毎日耐えていた方がマシだったかもしれない。
呆然と現実逃避していると、携帯電話が震えた。
ディスプレイに映し出された名前は大河で、一瞬無視しようか悩むも、結局私は通話ボタンを押した。
「はい」
その瞬間、公園の周りを運転の荒い車が走り抜け、大きな走行音が響いた。
それを耳にしたのだろう、電話の奥から、訝し気な声が聞こえてくる。
『莉依?……お前、今、どこにいるんだ? 家じゃないのか?』
「あー、ちょっと、散歩」
『はぁ? こんな時間に? まさかひとりじゃないだろうな、危なっかしい』
「……大丈夫だよ。悪いことする人も、襲うなら私じゃなくてもっとかわいい子選ぶだろうし」
『バカ、なに言って――』
お小言を言おうとした大河だったけれど、ふと思い当たったかのように言葉を止めた。