chocolate mint
筋が通らない事が大嫌いなくせに、その場しのぎで適当な話をして、その話に筋が通らなくなるとまた適当に誤魔化す……というのも、この人の悪い癖で、僕は小さな頃からいつもこの人の適当な嘘に巻き込まれながら生きてきた。



「じゃあね。送んなくていいわよ、もう下に亘来てるから」



言いたい事だけ言ってゲラゲラと笑いながら、後ろ手で手を振って、悪魔はあっという間に去っていった。




ーバタンー



玄関の扉が閉まると、リビングはシーンと静まり返った。


わざわざ駆けつけてくれたのはありがたかったけど、暴れるだけ暴れてさっさと帰るなんて、まるで……



「「……台風みたい」」



そう口にした瞬間に、香織ちゃんも全く同じタイミングで同じ言葉を口にしていた。



思わず笑みを浮かべかけて……



ずっと香織ちゃんから避けられていた事を急に思い出して、思わず視線を逸らしてしまった。



家に入った時は、そんな気持ちなんてすっかり忘れてしまっていたから、今僕は香織ちゃんの目の前に座っている状態だ。



心の中に、物凄い勢いで気まずさが流れ込んでくる。

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