chocolate mint
心配そうに僕の顔を覗きこんでくる香織ちゃんの目はうっすらと縁が赤くて、瞼は普段よりも少しだけ腫れぼったい。


「裕介くん……大丈夫?」


そう言う香織ちゃんのほうこそ、よっぽど『大丈夫?』って聞きたいくらいの目をしているのに……。



「すぐに冷やさなきゃ」



慌てた様子で立ち上がろうとした香織ちゃんの肩を掴んで、ぐっとその場に押し留める。



「僕は大丈夫。……ねぇ、香織ちゃんのほうこそ、本当に大丈夫なの?」



こんなになるまで泣かせてしまった罪悪感で、とてもじゃないけど目は合わせられなかった。


不自然に視線を逸らしながら話しかけると、視界の端に、香織ちゃんの目が悲しげにゆらりと揺れたのが映りこんだ。


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