chocolate mint
今までの僕は……気持ちをちゃんと伝える事もなく、友達だよって香織ちゃんにも自分の心にも嘘をついて、ただ空気のように側にいるだけの存在で、何もかもが中途半端だった。



だけど、これからは大切な女(ひと)を……香織ちゃんを絶対に傷つけないから。だから僕の気持ちを受け入れて欲しい。



「ほら、顔上げて。香織ちゃん」



香織ちゃんの両手を握ったままで声をかけると、自然と見つめ合う形になった。



やっとこっちを見てくれた。嬉しくて思わず笑顔になってしまう。



ーーあぁ……やっぱり僕は、この人の事が好きなんだなぁ。



こうして顔を見るだけで、心がふわっとして、隅々まで温かいもので満たされていく。



……僕の想いに、香織ちゃんはどんな言葉を返してくれるんだろう。



見つめ合ったままドキドキと高鳴り出す胸の鼓動を押さえながら、僕は彼女の言葉をじっと待つ。




待つ……



待つ…………




待つ…………




………………ってみたけど、香織ちゃんは僕の目を変わらずじっと見つめたままで、その唇は微動だにしなかった。


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