chocolate mint

「…………まあ、いいわ。……裕介、あんた、今女と同棲してるんだって?浮かれて、適当な仕事するんじゃないわよ」


……はぁ?!

検討違いの注意に、思わずポーカーフェイスも崩れそうになる。

『Felitita』のスタッフは、お互いのプライベートな事に口を挟まない。首を突っ込まない。

直接言われた訳じゃないけれど、これは、和希さんが決めた暗黙のルールだ。


『何も言わない代わりに、プライベートを仕事に持ち込むなよ』


という意味でもある。

香織ちゃんに想いを伝えられなくなった時だって、バカ男と付き合っている時だって、僕は仕事だけはきちんとやってきたつもりだ。


それを、ただ僕が気に入らないからって、誰から聞いたのか知らないけど、プライベートな事まで持ち出して注意するなんて……


『適当に仕事をしていたのは、あなたの方じゃないんですか?』と言ってやりたい。


……僕も瀬尾も、あなたのフォローでどれだけ大変だったのか、この人は本当に分かっていないのだろうか。


それとも、誰も気がついていないとでも思っているのだろうか。

いっその事、僕は全部知ってますよ、と言ってしまおうか。


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