chocolate mint
いつ話に割って入ろうか……
タイミングを図っていたその時、壁の向こうから聞こえてきた彼女の言葉で、思考が完全にフリーズした。
「亨さんに振られて本当は悔しかったんでしょ?ベッドに眠れなくなるくらいショック受けてたくせに、何でもありませんって涼しい顔しーー」
「望!!」
菊井が慌てて止めたけど……もう遅いだろう。
これだけ慌てるって事は、あの日香織ちゃんの部屋にこの女も一緒に入ったって言ってるようなものだ。
「……いいですよ、亨さん。ばれちゃったみたいだし」
「亨さん、私にプロポーズしてくれたのに、あなたの事ばっかり気にしてずっと落ち込んでたから、見ていられなかった。だから、私じゃ代わりになりませんか?って……どうしたらあなたの事忘れてくれますか?って聞いたの」
「そしたら、あなたの家から自分の痕跡を全部消したいって、そしたら私との事も前向きに考えられるかもって……亨さんがそう言うから私……」
その後で聞こえてきたあまりにも身勝手な言い分に、一瞬で頭の奥まで沸騰しそうな程の怒りが沸き上がってきた。