chocolate mint

この女は……昔から何も変わってない。


恋をしていると、好きだと言ってしまえば何をしても許されると思っている所も、


あなたを想っているからだと言えば、ストーカー紛いの行為だって肯定されるだろうと思いこんでいる所も、全て。



……変わった所は一つだけ。恋をしている相手が僕からアイツになったっていう事。



ただ、それだけだ。



……僕には、今の香織ちゃんの気持ちが痛いほど分かる。


自分だけのプライベートな空間に勝手に足を踏み入れられた気持ち悪さは、同じ経験をした人にしか絶対に分からない。


昔、僕の車にこの女が座っていた時だって、確かに鍵を渡したのは僕だけど、瀬尾は「葉山さんのお姉さんですよね?」ときちんと確認してから渡したと言っていた。


この事件があってから、僕はもうその車を運転する事がどうしてもできなくなって、就職してから必死に貯めたお金で買った大切な車を、たった一年で手放したんだ。


ここは他人のプライベートな部分だと分かっていて、それでも足を踏み入れるその行為は、もう犯罪と言ってもいいのだという事を……


こいつらに分からせてやらないと、僕の気が済まない。


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