chocolate mint
「……どう言い訳したって、あなた達のした事は許される事では無いですよ。不法侵入に窃盗。訴えられても文句は言えないんじゃないですか?」
気がついたら、厨房からイートインスペースへと飛び出していた。
驚いている香織ちゃんよりも、さらに大きく目を見開いて完全に動きが止まった川嶋を一瞥する。
以前はお客様だったから、嫌でも目を合わせて笑顔で接客しないといけなかった。だから、僕のこんな冷たい視線は見たことが無いだろう。
この女には、これで充分だ。
そして次に、僕は菊井と対峙した。
「アンタが認めたくないって言っても、香織の中ではとっくにもうアンタとの事は終わってるんだよ。話聞いて無かったの?」
……お前が僕の事を知らなくても、僕はお前の事をよく知っている。
嫉妬深くて、束縛をして、香織ちゃんが思い通りに動かないとあっさりと浮気をする最低な男。
もしお前に直接会うことがあったなら、ずっとこう言ってやろうと思ってたんだ。
「頼みの綱の合鍵も、もう使えないよ。香織は今僕の所にいるから」
「これ以上彼女に何かしたら僕が黙って無いから、そのつもりで」
今、香織ちゃんの一番近くにいるのは僕だ。
彼氏という存在じゃなくても、香織ちゃんを慰めるのも、守るのも、今は僕の役目だ。
お前の役目じゃない。
とっくにお前のターンは終わってるんだよ。