chocolate mint

***

戸惑ったままの香織ちゃんの肩を抱いて『Milkyway』を出た所で、僕は猛烈な後悔の気持ちに襲われていた。


僕自身は、全く後悔していない。


むしろ長年心の中に溜めていた思いをあいつらに吐き出して、せいせいしているくらいだ。


だけど……香織ちゃんにとっては、これで良かったんだろうか。


最後に、香織ちゃん自身の言葉で菊井に別れを告げる事はできたけれど……


まだ他に、言いたい事はなかったのだろうか。僕が出て行った事で、それを伝えられなくなってしまったんじゃないんだろうか。


「裕介くん……もう大丈夫」


店から少しだけ歩いた所で、身体を捩るようにして、肩に回した手を外された。


……やっぱり、僕が香織ちゃんの彼氏のように振る舞ったのは嫌だったのかもしれない。


はっきりと距離を置かれたのに、まだ繋がっていたくて、未練がましく指を絡めて手を繋いでしまっていた。


「……香織ちゃん、ごめんね」

「余計な事をしたって思ってるよ。でも、見ていられなかったんだ」


……僕は狡いから。


強引に手を繋いだら拒否されないのも分かっていたし、こう言ったら香織ちゃんは優しいから許してくれるのも分かっていて、わざと謝りの言葉を口にした。


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