chocolate mint
「余計な事なんかじゃないよ。裕介くんがいたから亨に私の気持ちをちゃんと伝えられたんだよ。だから、謝らないで」
……ほら。やっぱり香織ちゃんは許してくれた。
だけど、さっきから顔をそらして、僕からは香織ちゃんの表情が見えないんだ。
視線だって合わないから、今の言葉を本音で言ったのか、それとも僕に気を遣って言ったのかが分からない。
……本当に、香織ちゃんは菊井に全ての思いを伝えられた?
香織ちゃんの目が見たい。
その目を見たら、何を考えているかすぐに分かるのに。
ショーウインドーに映る僕たちは、手を繋いで寄り添って歩いていて一見恋人同士に見える。
だけど僕は不安そうに顔を曇らせていて、香織ちゃんは硬い表情をしているように見えた。
思っていたよりも情けない顔をしていたのが恥ずかしくて視線を外そうとしたら、いきなり勢い良く首を振ってこっちを見た香織ちゃんと思いっきり目が合ってしまった。
「……ふふっ」
僕の気まずそうな表情が可笑しかったのか、吹き出すように笑った香織ちゃんを見て、ほっと胸を撫で下ろした。