完璧幼馴染の仮面が崩れるとき
いつも自信満々な耀からは想像もつかない程、不安そうな顔を向ける彼がなんだかすごく愛おしくなった
「耀、帰ろう?」
そう言って私が手を出すと、力なくぎゅっと不安そうに耀は私の手を握った
なにこの素直さ。
本当に耀?
なんて思いながらも、こんなにヤキモチをやいて心配するほどにも私のことを好きでいてくれてるんだって本当に愛しさが込み上げてくる。
家に帰る途中の道、私は私の手を握ったままの耀を見上げた。
今までは耀の完璧な一面ばっかりに気を取られすぎて気が付かなかったけど、意外と子どもっぽいところも多いし、割と甘えん坊。
偉そうに言う時は口だけは一丁前なんだけどね
そう思って、私はフフフと笑った。
「なんだよ。
こんな俺がダセェって?」
プーっと拗ねたように口を膨らまして不満そうに私の右側を歩く耀の左手をグイッと引き寄せた。
そして、少し背伸びをして、
私はその少し尖った唇にチュッとキスをした
「いいえ?
そーゆう所も含めて耀の全部を愛してる」
私の言葉に驚いたように、耀は目をぱっちり開いて少しばかり考えると、
いつもの調子に戻って、
「茉莉花、そんな可愛いこと言われたら、オレ、帰ったら何するか分かんねぇよ?」
なんて妖しい目で私に微笑みかける。
「変態」
私がそう言い返すと、満足そうなほほ笑みを浮かべて私にもう一度、柔らかく優しいキスを落とした。
「愛してるよ、世界で一番。」
そんな甘い言葉を放った彼に、結局離してはもらえず、結局休みの日中、2人で体を重ねていたのは言うまでもない…。
ほんと、私の婚約者は、
完璧な仮面を崩した、甘えん坊で独占欲強めな王子様です。
_____fin


