狂った彼に花束を

花音視点

あの日から約1週間がたったが、クロが姿を見せることは無かった。

…もう一度逢いたい。
そう思うのはダメなんだよね…。

朝起きて、君の顔が横にある。
一緒に朝ごはんを食べて、君を仕事に送り出す。なんの仕事をしてるかは教えてくれないけどね…。

「仕事に行く前にキスして。」
響夜は私の前に膝立ちになる。
私は彼の頬に両手を添え、軽いキスを落とした。
それだけで君は満足そうな顔をする。

「3時には帰るね。」
響夜は私の頭を軽く撫で、部屋を出て言った。

お昼になれば使用人さんがご飯を持ってきてくれるし、お風呂だってこの部屋のかたほうのどあをあければある。

もう、この部屋から出なくても生きている。
< 141 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop