先生、ボクを飼ってよ
そして、今日がその夏祭りの日。
もうそろそろ、行かないとな。
「繭、浴衣似合ってるよ」
部屋から出ると、ちょうど優心と顔を合わせた。
柔らかい笑顔で言われると照れるけど、やっぱり嬉しい。
「ありがとう、優心」
すると、優心は私をそっと抱きしめた。
「こんなに可愛い姿を、俺以外の男に見せに行くって言われて、なんで止められないんだろ」
「優心、あの……」
言い訳じみたことを言おうとしたら、優心に口を塞がれた。
……優心の口で。
そして名残惜しそうに離れると、優心はおでこを合わせてきた。
「やっぱり俺も行こうかな」
「優心……」
心苦しい声で呼んだせいで、私は優心に乾いた笑顔をさせてしまった。
「冗談だよ。大事な生徒との約束なんだろ? 気をつけて行っておいで」
「行ってきます」
代わりになるかはわからなかったけど、私は優心の頬に口付けをした。
そして、恥ずかしさから逃げるように集合場所に向かった。