先生、ボクを飼ってよ
「そうだ、佐伯さんと田辺君は……恋人同士なの?」
私の質問を聞いた瞬間、二人は揃って顔しかめた。
「先生やめてよ。あたし、こいつの彼女になんてなりたくない」
「そんなの、こっちから願い下げだ。暴力女なんか彼女にしたら、いくら命があったって足らねえよ」
そして睨み合いを始めてしまった。
えっと……
どうしよう。
「こんな楽しい雰囲気の中、喧嘩したらダメでしょ、修くん、風香ちゃん」
すると、間に瑞貴君が現れた。
「だって、修が!」
佐伯さんは瑞貴君にも噛みつきそうな勢いだ。
それでも、瑞貴君の柔らかい、穏やかな空気は変わらない。
「風香ちゃん、今日はお祭りなんだよ? 仲良くしよう。ね?」
佐伯さんは不服そうにしていたけど、納得したみたい。
瑞貴君は反省の色を見せている佐伯さんの頭を、優しく撫でた。
「なあ、瑞貴。お前、気付いてないのか?」