先生、ボクを飼ってよ


すると、田辺君が瑞貴君に話題を振った。



「なにに?」



瑞貴君は素直に首を傾げる。


それに呆れながらも、田辺君は私のほうを見た。


それにつられるように、瑞貴君も私を見る。



……なんだか照れる。



「……繭先生? どうしてここに?」



どうして、と言われても……



「あたしが誘ったの! 繭先生、浴衣似合ってるよねー」



元気を取り戻した佐伯さんに説明され、瑞貴君はじっと私を見てきた。



「うん、綺麗。いつもと雰囲気が違って、気がつかなかったや」



瑞貴君はそう言って、照れ笑いをした。



……嘘つき。



見ないように目をそらしてたくせに、よく言う。



って、私、瑞貴君に気付いてほしかったの……?
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