先生、ボクを飼ってよ
「先生? どうかした?」
すると、佐伯さんの顔が目の前にあった。
「ううん、なんでもない。ありがとう、瑞貴君」
上手に笑えた自信がない。
けど、そこには誰もツッこまなかった。
「繭先生、瑞貴のこと下の名前で呼んでるんだー」
佐伯さんと田辺君がからかうように、にやけている。
……失敗した。
「ボクが頼んだんだよ」
困っていたら、瑞貴君が助けてくれた。
といっても、事実を言ったまでだけど。
「なーんだ、先生から呼んだわけじゃないんだ。つまんないの」
佐伯さんは頬を膨らませた。
「もういいだろ。俺、腹減ったんだけど」
恋愛に興味ない田辺君が、お腹を鳴らした。
「そうだね、ボクもお腹空いちゃった」